会社の方向性が全くみえない。朝令暮改の社長のやり方を変えたい。
今の給与体系は人のやる気を奪うものだ。評価制度を変えたい。
必死で頑張っているのに、全く業績が伸びない。販売戦略を変えたい。

そう、変えたいものがたくさんあります。
会社のことを真剣に考え、純粋な気持ちで思っているからこそ、いろんな問題が目につきます。

どうやったら人が変わってくれるのだろうか

先日、お客様からこんな言葉を聞きました。
本気で会社を良くしたいと思って、変革活動に自ら飛び込んでくれた人です。
「私は初め、会社の間違った考えの人を変えてやろうと思って、この活動に参加しました」

過激に聞こえるかもしれませんが、とても正直な言葉だと思いました。
もしかしたら、私たちが変えたいと思っていることのほとんどは“自分以外の人を変えること”になっているのかもしれません。
そのお客様は続けて、こんなふうに話してくれました。
「でも自分自身を変えることが、この活動の意味だと思うようになったんです」

どうやったら人が変わってくれるだろう。例えばその人の考えを聞いた上で、もっとその考えよりいい意見を提案すれば、意見を変えてくれるのではないか…。
でも実際には、変えてもらいたいと思って自分の意見を伝えても、全く相手には響かず、どうしたら理解してもらえるのかを必死で考えるうちに、相手より先に自分のやり方が、そして考え方が変わったというのです。
理詰めで相手を責め立てるやり方から、相手を受けとめて待てるように。自分の基準を当てはめ、任せられないと思っていたのに、任せてみよう、駄目なら一緒にまた考えればいい、と思えるように。

初めの一歩は「誰かを変えたい」でもいい

自分を変える、なんて今ではもうありふれている言葉かもしれないけれど、本気で会社を変えようとしたら自分自身が変化した、という実感は、私に深く響きました。そこには、いろんなことを考え、いろんなことを感じ、自分で噛み砕いて消化した、自分のものとしての納得感があるからです。

自分が変わったと言ってくださったお客様は、「こんなに充実感がある毎日は初めてかもしれない」と、いきいきと語ってくださいました。変革は辛く苦しい大変な活動だ、と重く考えたり、背負いこんだりする必要はありません。

初めの一歩は「誰かを変えたい」でもいい。
でも、誰かを変えるために自分は何を変えるのか。そこから始まるのだと思います。