オフサイトミーティングの<収束の場>の難しさ

オフサイトミーティングの醍醐味のひとつは、これまで縛られていたさまざまな組織内の制約や暗黙の規範から自由になることで、大きな解放感や活力を得ることができる発散のフェーズにあります。

その一方で、収束フェーズをいかに創造的に進めていくかということについては、難しさを感じている人が意外と多いのではないでしょうか。

たとえば、お客様から次のような声を聞くことがあります。

●発散の場面までは盛り上がったが、うまく収束のフェーズに進まない
●目新しいアイデアが出た時点で、安易に飛びついてしまった
●その場でのみんなの共感度が高いものを多数決で決めてしまったが、具体化に向けて検討してみるといまいちの案だった
●議論の過程で生まれるいいアイデアも生かされないものが多い

発散の場では、多くの知恵やアイデアが生まれます。個々の優れたアイデアは魅力的ではありますが、その段階ではまだ一人だけの視点から見たもの、素材であり原石です。視点の違うそれらのアイデアをぶつけたり、組み合わせたりして、より統合的で創造的な“コンセプト”にまで昇華させていく必要があります。
この「コンセプトづくり」は収束のプロセスであり、高い創造性が求められます。

収束の場で活用「インテグラル・カードワーク(ICW)」

このような創造的な収束の場面で、私たちがよく活用するのが「インテグラル・カードワーク(ICW)」という技法です。
付箋紙に書かれた多様なアイデアが、チームによるワークを通して、より統合性の高いコンセプトへと練り上げられていきます。ワークにおいては、機械的に情報を処理するのではなく、感性(右脳)と理性(左脳)をバランスよく発揮させ、時には直感を、またある時には論理を駆使し、人間の脳が持つ豊かな潜在力を引き出します。

メンバーの思いがこもったカードは、自然と束なり、ひとつも捨てられることなく統合されていくため、一人ひとりが“自分のものだ”という実感を持つことができます。
そうしたプロセスを通じてチームの一体感が高まり、最終的に生み出された質の高いコンセプトのもとに、実行に向かってチームが結束していくのです。

このようにICWは、「コンセプトづくり」に不可欠な「考える力」や「創造性」をトレーニングする方法として効果的であると同時に、コンセプトを実行に移す、主体的で協働力の高い「チームワーク」をも生み出すものなのです。