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次世代の変革エンジン - 大海を泳ぐ若手を育てる -

2013年10月04日

千代田化工建設(プラントエンジニアリング)の社内変革プロジェクト「未来創造室」の活動のひとつ、「みらいエンジン」をご紹介します。
さかのぼること10年以上前、自分たちの力で会社を強くしたいと苦境の中を踏ん張ってきた若手のコアメンバーが、今では次世代を担う中核的な存在になり、経営に提言してこのプロジェクトを立ち上げました。環境に翻弄されるのではなく自らがイノベーターとなり生き続けていくこと、そのために必要な「明日」のための環境づくりが彼らの大きな使命です。

千代田化工建設は世界40カ国以上でプラント建設を手がけており、LNG(液化天然ガス)プラント建設では世界トップシェアの会社です。つい最近では、水素の大量供給を可能にする同社の新しい技術が次世代エネルギー発電など水素利用の実用化に道を開くものとして新聞でも大きく取り上げられました。
この新エネルギー事業へと実を結んだイノベーションの種は、じつは社内でずいぶん昔から温められてきたものです。それと同じように、これからの未来を生き続けるためのイノベーションの種を見つけ育てていくのは今の若いメンバーに他なりません。
その若手が日々の業務に追われ、自分の仕事だけにしか興味を持てない状況では困ります。世の中全体のことに興味を持ち、未来を描いてチャレンジできるようにする。いわば変革のエンジンとなるような人材を増やしたいという思いから「みらいエンジン」の活動はスタートしました。対象となるのは入社4年目から10年目の若手社員全員です。

では、明日の担い手である若手の現状はどうなのか。実態を調べてみると、自分に与えられている仕事で精一杯、全体を見るということには消極的です。そのため、自分の仕事に直結しないものは「対岸の火事」で関心を示さない傾向があるのです。また、漠然と「このままでいいのかな?」と思ってはいるものの、会社における自分をとらえ直すには今の立ち位置や視野が狭すぎて考えられない状態です。そのため、何が本当の問題なのかがわからず、自らが当事者になって現状を変えていこうという気持ちが起こってきません。
そもそも千代田のプロジェクトの多くはゴールと納期があらかじめ決まっています。若手の場合、プロジェクトにアサインされれば役割分担を明確に与えられ、その役割を全うすれば達成感もあり、現状でも満足感は高いのです。

こうした若手の視野や関心の幅を広げるために、約3カ月にわたって問題意識の醸成、チームによる議論、プレゼンテーションというステップを展開しました。その中には二つのプロセスを組み入れています。
一つは「多様なメンバーのチームをつくる」プロセス。上下関係はないけれど、異なる経験や専門性を持つメンバーが、まずは事実ベースで議論ができるような関係性になり、変える必要性を認識するためのチームをつくります。
もう一つは「未来の視点から仕事の目的を考える」プロセス。与えられた今の仕事の延長線上ではなく、社会からの期待やエンジニアリング業界における位置づけや役割など視野を広げて物事を視ることにより、大きな目的を捉え、自分の仕事に関連づけて考える機会をつくります。
この二つのプロセスを通じて、自分には無縁だと思っていたことに関心を持ち、業務だけでなく全体を見る視点が生まれ、変化しよう、挑戦しようというマインドが芽生えました。
(もちろん、実際の行動につなげるにはもう一工夫が必要です。)

厳密にいえば、もともと若手に「元気がない、変革意識が薄い」わけではありません。目先の成果を無意識のままに求める状態が続いてきた結果、若手がのびのびと、そして広々と育つための情報や刺激、機会が減ってきているのです。そこに適切な機会と環境をうまく提供すれば、若い人たちは自分から変化していく力を発揮する、そんな可能性を秘めていることが今回の取り組みでわかりました。

源明 典子

源明 典子(げんめいのりこ)

いい会社、いい組織づくりには、社員が自ら組織で知恵を出して実践する環境が不可欠と考え「ありたい姿」「自発性を引き出す」「チームの協働」「マネジメントの変革」の視点をもって支援に携わる。とくに、製造業の研究・開発部門、生産技術部門やサービス部門における「チームイノベーション」支援経験を豊富に持つ。

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