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NTTコミュニケーションズ株式会社

 

「自分で考えて行動してみる」体験の衝撃と醍醐味

●お客さま訪問をしてみてメンバーにはどんな変化が?

山田 ものの見方が変わりました。
CSマン活動で初めて訪問したお客さまに言われたことに、衝撃を受けたんです。

「御社の故障受付の担当者は、NTT区間の異常がなければ『うちは異常ありません』と言うけど、そう言われると 困ってしまうんです。じゃあどこが悪いのか、どうすれば不具合が解消するのか、それを教えてほしいんですよ」

先輩からは、NTT区間に異常がなければ「うちは異常ありません」と言うように教えられてきました。でも、お客さまからしてみたら、その対応は不十分でした。

このような話は、会社の外に出なければ聞くことはできません。目から鱗が落ちる体験でした。この活動の一番の醍醐味を、多くの人に体験してもらいたいと思いました。

そんなこんなで、仕事に取り組む姿勢が変わりましたよね。そもそも変わりたいと思っていたので、一つのきっかけになったんだと思います。お客さまの生の声を職場にも還元したいし、自分にも還元したいし、自分が変わって周りも変わればいいかなと。

 

矢野 実際、いろいろチャレンジしたよね。

 

山田 はい。何回か訪問していくうちに、複数のお客さまからこんな声をいただいていることに気づきました。
「サービスを契約したときの担当者が部署を異動したので、故障時の連絡先の情報を更新してほしい」

会社の枠組みでいうと契約情報の変更は、営業担当者もしくは申込受付担当者が受けることになります。しかし、せっかくCSマンに言ってきたお願いを誰かに依頼するのではなく、CSマンでできないかと考えました。

その後、申込受付担当者と何度も議論し、CSマン自ら契約情報の変更処理ができる仕組みをつくりました。また、お客さまの手を煩わせることなくご要望に応えることができるようになりました。自分で考え自分で行動する体験を通じて、自分が変わったことの魅力に気づきました。

 

登田 参加したメンバーの心境は、CSマン活動を経験する前と後では変化していると感じます。

メンバーの大多数は営業経験もなく、バックヤード(裏方)としてオペレーションをしている人が多いんです。とくに保守をしているメンバーは、故障発生時などお客さまからお叱りの言葉を受けることもあるので、「お客さまは怖い」というとらえ方をしている人も少なくありません。でも、お客さまと接することを避けて「お客さまに寄り添う」なんて、できるはずがありませんよね。

CSマン活動は、そういう社員を一人でも多くお客さまのところに訪問させ、普段のバックヤード業務では知るよしもなかったお客さまの生の声や困りごと、我々のサービスに対する期待や感想を聞くことができるんです。

今までお客さま訪問をしたことがない社員からは、訪問後、

「初めてお客さまのところにお伺いするのですごく不安だったが、いろいろな話を聞くことができて新鮮だった。不安に思う前に行動するほうが早いと思った」

「回線開通の現地作業員を指示する業務をしているが、お客さま訪問を経験することで、思った以上にお客さまの宅内の様子や気持ちを思い浮かべて指示することができるようになった」

「いつも設備しか相手にしてないので、お客さまとふれ合って、お客さま目線でどのようにしたら使いやすいサービスになるかを考え直せる、たいへん貴重な機会だった」

といった声をよく聞きます。もっと活動メンバーを広げなくては、という使命感が湧いてきます。

お客さまのなかには「NTTがこんな活動をしているなんて知らなかった」「素晴らしい活動。わが社でもやってみたい」「NTTに期待している」といったお褒めの言葉をくださる方もいて、「期待に応えるべく業務への力の入り方が変わった」とモチベーションが上がる社員も多くいます。

 

 

「お客さまのため」の連携で解決できること

●業務の改善に結びついた例はありますか。

大屋 CSマンという活動が、CS部のなかでもお客さまの声の代弁者だという認識になってきたと思います。たとえば、フリーダイヤル。フリーダイヤルの番号は、対象ごとに30~40あるんですが、「お客さまにとってわかりにいくのでは」という声が出て、番号を1本にしようという動きがあったんです。

でも、実際にお客さまの声を聞いたら、法人の場合は「逆に困る」という意見が多いことがわかりました。なので、法人向けのフリーダイヤルは1本に集約せず、そのままにしようということになりました。

ぼくたちの思い込みではなく、お客さまの声に耳を傾けて、自分たちのサービスをどうするべきかを考え、変えることができた。本当にCSマンをやってよかったなと実感しました。

 

登田 お客さまからいただいた声は、部門を超えて、いろんなところに生かされるようになりました。たとえば、我々がお客さまのお困りごとを聞き、営業につないで、何かお客さまのためになるご提案ができないかと考えるようになりました。

我々のオペレーション部門だけだと、お客さまの声にお応えできることは限られますが、社内につないでみんなで考えれば、お客さまの困りごとをいろいろな面で解決することができます。

あるお客さまでは、お使いのネットワークで通信速度が思ったように出なくて困っているという話をCSマンが聞きつけ、すぐに社内の分析の専門家につないで調査したところ、通信回線の契約速度を超過した利用をされていることが判明しました。そこで、営業部門と連携して契約速度を見直す提案をして、その困りごとを改善することができたんです。

 

また、サービスの仕様に関してお客さまからご意見をいただいた際、上流工程であるサービス開発部門に伝えて仕様の開発検討をしてもらう連携も始まりました。

そんなふうにして、徐々に「お客さまのために我々ができること」の発想や活動の幅が広がって、課題解決のためのアイデアや、社内につなぐ流れがいろいろ出てきているなと感じています。

そういうときのCSマンは、非常にやりがいに満ち溢れています。いつも故障対応などでお叱りの声をいただくことが多いメンバーですが、いきいきとした表情で組織を越えて意見を出し合うようになってきたと思います。

 

山田 私の本来の業務は、法人向け・個人向け電話サービスの故障受付。30名程度の担当部署で、新入社員から10年以上のベテラン社員まで幅広い人材が働いています。

2015年の春ごろから、担当内でヒヤリハットが目立つようになり、発生したヒヤリハットをふり返り、原因や対策をディスカッションしていたのですが、どうも減る気配がありません。

そこで私は、CSマン活動にあたってメンバーの気持ちがひとつになった「オフサイトミーティング」を活用し、故障受付のさまざまな業務を「何のために」するのか一人ひとりが考え、全員で「大切なこと」「大事にしたいこと」を自分自身の声で担当内に伝えたらどうかと考えました。

故障受付業務は24時間365日休まず運用するため、オフサイトミーティングは5~6人程度のグループで複数回実施しました。そのあと、全員で意見交換した生の声を集約した冊子を作成して全員に配布し、故障受付業務に携わる私たち現場の人間が「大切にしたいこと」を全員の共通認識にすることにしました。

業務で迷ったときや、ふと立ち止まったときには、私たちが大切にしようと決めたこの冊子の文言に立ち返り、呼吸を整えています。

オフサイトミーティングは大成功でした。ミーティング後は、クリティカルなヒヤリハットがゼロになっただけでなく、担当内の雰囲気も明るくなり、いきいきと働ける職場に少しずつ近づいているなと実感します。

 

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