価値を理解してくれる上司の存在が活動の支えに

有志による活動に必要な会社のサポートは?

山田 一番は上司の理解ではないですかね。有志の活動ですから、平たくいうと、お客さまの声を素直に聞こうという活動に寛容でいてくれる上司でなければ難しいでしょう。CSマン活動で半日外出するというとき、笑顔で「いってらっしゃい」と送り出してくれるような上司でないと、ブレーキがかかってしまうことがあると思います。

登田 会社(経営幹部)のサポートは強く感じます。社内の公式行事など、あらゆるところで「CSマンは素晴らしい活動だからやっていこうよ」とアピールしてくださる。これを社員が聞くと「参加してもいいんだ」という安心感があって、気軽に参加できる空気ができている。このような幹部の理解がないと、この活動はできないと思います。

矢野 この活動を立ち上げたとき、成果を求められなかったんですね。お客さまを訪問してこんなことを言われましたと上司に報告したとき、「そうかそうか」とただ受け止めてくれたのが非常にありがたかった。どんなに小さい一歩でも「自分たちで考えて行動する」活動自体を成果と捉えてくれていたのだと思います。
「自ら考え、自ら行動する」こと自体を価値と感じる上司がいてくれたから続けられたんだと思います。

山田 私もこの活動は、スポンサーの支援があってこその活動だと思っています。CS部の偉い方が本気で応援してくれることが本当にありがたいです。

大屋 上司の皆さんは、この活動をサポートし、活動そのものを成果と捉えてくださっています。私たちが次に考えることは、我々の地道な活動を応援してくれている方々に対して、「この社員さんのこういう活動が変わりましたよ」という小さな成果でもいいので積み上げていくことだと思っています。

与えられた仕事ではなく「何のためにやるのか」を考える

最後にひとこと、これからの活動に向けて。

山田 この活動に出会って本当によかったと思っているので、周りの人にもすすめたいですね。人生80年、90年あるなかで仕事人生はその半分にもなります。6時まであと何分…と思って仕事をするより、もうこんな時間だと思えるほうが良くないですか?

マニュアル通りの仕事が多いなかで、CSマンの活動は自由な発想が許される活動です。私のような、まだマネジャーでもないような人間が考えて行動することで「やまピー、よかったね」と褒められることが自信になっています。

登田 CSマンも第8期になって社内の認知も広がり、新しく参加するメンバーがどんどん増えています。これからメンバーが変わっても、CSマンが生む価値や意義を維持していくことが課題だと思っています。

情勢はつねにめまぐるしく変わり、求められるものも変わります。その時々のメンバーが話し合って、その時々で活動の方針があっていいと思いますが、根底にある変わらない理念のところはしっかり受け継いでいきたいと思います。

そのうえで、お客さまの声を聴いて、改善した成果をお客さまに還元していくことを着実にやっていきたい。せっかくいただいたお客さまの貴重な声をもっと生かしていく活動に一層のパワーをかけたい。そういう仕組みつくりをしっかりつくりたい。社内に連携の輪ができ始めているこれからが正念場だと思います。

矢野 収益という成果もあり、社員の改善マインド向上やお客さまマインド向上という成果も出ています。組織も大きくなって、会社の中の認知度も上がり、ますます活動が活発になることが期待されますね。そうなると利害関係者が増えて、活動にもいろいろなことを期待され、要望もいろいろ出てきます。

そんなときは「何のためにお客さま訪問をするのか」「なぜCSマン活動なのか」をメンバーで確認し合う時間を持って、そのなかで答えを出していってほしいと思います。

CSマン活動の目的は、人それぞれでいいと思う。でも、やっぱり与えられた仕事ではなく、自分がどういう思いで仕事をするのかを考えること、それを実現することを大切にしていく活動でありたい。そういう思いを持ち続けるには、組織や枠を超えた有志の集団がいいのだと思います。