変わっていく組織の環境やそれぞれの立場

この間に、大きな波がいくつかありました。それは、参加者のおかれている組織の環境や立場、思いによる変化です。

最初は、病院、中央省庁、裁判所、警察、学校、県や市などいろいろな公共機関から参加がありました。しかし、同じ団体から複数参加されることはほとんどありませんでした。当時、組織内はまだ「○○を変える」ということを口にできる環境にはなく、その必要性を理解してもらうことに四苦八苦している状況でした。そこで、会後の感想にも、「自分と同じように『このままではいけない』と思っている人がいることがわかって、安心しました」「自分よりも大変な境遇の中で変革しようと頑張っておられる人もいるのですから、自分もまたトライしてみます」などの言葉が多くありました。

それから3~4年たつと、地方分権一括法の流れから地方自治体の参加者が一気に増え、全国から三十人近い希望者となりました。このままでは運営していくのが難しいなと弱っていると、有志が「運営チームをつくって一緒にやりましょう」と手を挙げてくれました。
当時は、まだ「改革派首長」のいる自治体と一般の自治体との間に温度差がありました。庁内で「改革」は特別な人がやることだと思われていて、参加者は「なんとか思いを共有できる仲間を増やしたい」「どうすれば改革先進自治体のように動き出せるだろうか」との悩みを抱えていたのです。そこで、交流会に一つの自治体から複数で参加して仲間を増やす機会にするといった活用がされ始めました。また、「自分の地域で開催してください。そしたら、もっと多くの人に知ってもらい、仲間を増やすことができます」との要望が出て、会を各地域で開催することになりました。これまでに、名古屋、滋賀、横浜、三重、広島、人吉、直島と続いています。

さらに3~4年たつと、「改革」はいつしかどの組織でも「やらねばならない」取組みとして位置づけられるようになりました。すると「改革をする」ことを業務として担う推進担当部署の方や研修担当部署の方が参加されるようになりました。彼らからは、「新しく改革担当部署に異動して来たのですが、何をしたらいいのかわかりません」「現場で改革を進めてほしいのですが、なかなかやる気になってもらえません」など、これまでとは異なるタイプの悩みが話されるようになりました。

重要になってきている参謀機能

また、昨今では副知事・副市長、行革や政策担当の部長など経営幹部層が、首長と職員、そして職場をつなぐ役割を果たすことがひじょうに重要になってきています。それは、首長がマニフェストをもとに選挙するようになったことにも大きく影響を受けているのですが、自治体の中では、首長の思いと職場の実態と職員の思いとが、三者三様のサンドウィッチ状態になっています。それぞれに視点や状況が異なるため、容易に融合することが困難で、一度に変えることもしにくいものとなっているのです。そこで、昨年度は、「世話人交流会」の流れを受けつつ、新たに「参謀交流会」を始めました。これらをいかにつないで、動きを連動していくのかという、参謀特有の悩みを抱える皆さんが集まって一緒に考える場になっています。

「変える」ということ一つをとっても、悩みの種類は様々です。時代とともに変わるこれらの悩みに応じて、その解決策を一緒に見つけていく機会をつくっていければと思っています。