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「リーダーシップ」と「管理」の役割分担
行政組織の長は、公選によって市民から負託を受けた首長です。首長になる方は、出馬にあたって強い思いを持ち、自らの主張を自分の言葉で何度も熱く語りかけて多くの人の気持ちを引き寄せ、ともに活動する支援者を集め、投票用紙に氏名を書いてもらう行動に導くリーダーシップに長けています。
一方、行政組織の職員は、自らの主張を意志として強く持つというよりも、「人の役に立ちたい」という思いから、首長をサポートするスタンスで、与えられた役割を間違いなくこなす業務の遂行管理を進めています。
行政組織内では、首長と職員が、そんな「リーダーシップ」と「管理」が顕著に役割分担されているところがあります。
変革型マネジメント
しかしながら、地方分権改革が進み、地方創生が期待される今では、自治体経営においても、単に国のほうを見て「前例踏襲」「横並び」するのではなく、地域独自のイノベーションを起こしていくリーダーシップへの期待が高まってきました。
また、最少の経費で最大の効果を発揮していく組織運営においては、「戦略」を策定し、その実現に向けて組織の生産性を高め、事業の付加価値を向上する改善・改革が必要です。さらに、事業を進めていくプロセスでは、多様な主体との協働関係づくりが重要になっています。
このたび金井先生にお寄せいただいた書評からは、行政組織のマネジメントにおいて、従来から行なわれている「管理」に加えて、昨今「リーダーシップ」のウエイトが高まっていることを改めて認識することができました。
また、首長にも職員にも、それぞれの部署や仕事の中で、リーダーシップと管理を統合し、臨機応変に使い分けていく新しい変革型のマネジメントが求められてきているのだと言えます。
経営学の大家でいらっしゃる金井先生から、このようにわかりやすく整理された指針をいただき、心からお礼を申し上げます。