そこには秘策も奇策もありません。組織・職場の人々の力を目的の上に重ねて、お互いの知恵や経験を生かし、多彩に力を発揮していくコラボレーションができるかどうかです。

仕事におけるコミュニケーションと協力のレベル(=コラボレーション力)をチェックする

この4月から弊社ホームページで「ワークコラボレーション・レビュー」というメニューをご紹介しています。「ワークコラボレーション?」「レビュー?」聞きなれない言葉だなぁと思われる方も多いかと思います。

ひと言でいえば、仕事におけるコミュニケーションと協力のレベル(=コラボレーション力)をチェックするための簡易ツール。自職場の「何が問題なのか」「何を変えればいいのか」の要点をつかみ、課題と向き合うことによって、多様な個性が協働しながら新しい価値を生み出す方向へと職場(組織)の力を自分たちの手で育てていくことが目的です。

とくにこれからのコラボレーションは、仕事の現場が環境の変化を前向きにキャッチして動いていくために、今いるメンバーの個性を丹念に生かしてミックスアップすることが不可欠だと私は思っています。

 

同じようにその必要性を痛感しながらも、それを実現できないジレンマに悪戦苦闘されている方々は少なくありません。

最大の原因は、いくらそれを高めても「コラボレーションの力」を管理や改善の指標のように数字で見ることができないからでしょう。

「今、何が一番の課題なのか?」
「職場・組織のコラボレーション力はどの程度高まっているのか?」

このような問いに対しては、各々の感覚値で答える以外にない面もあり、社内の理解を得にくいのが実情です。よほど強い信念を持ったトップがぶれることなく支援し続けない限り、いくら実感として大事なテーマであっても持続性を欠いてしまうのです。

コラボレーションの力を高める7つのプロセス

「ワークコラボレーション・レビュー」は、見えない「コラボレーションの力」を見える化することが第一の目的です。

ただし見える化といっても、多様な視点で現状を診断して一つひとつを改善する対処療法ではありません。長年、風土改革に携わってきた私たちの組織を見る視点、前向きな変化はどのようにして起こるのかといった経験から、コラボレーション力を高めるためのプロセスを7つのレベルで示し、各レベルに必要な話し合いとアクションに取り組みながらステップアップしていきます。

それを流れにしていくために行なうのが、定期的な「レビュー(ふり返り)」です。単にやった結果がどうだったのか、問題点は何かをチェックするだけではなく、話し合いを積み重ね、メンバーの相互理解と相互作用を高めていくことが大切になります。その思いから軽量なツールにしました。

それぞれの職場で「組織のワークコラボレーション力」を高めていくために悪戦苦闘されている実践者の皆さまに、「見えないものが見える」「高めるプロセスが見える」そして「定期的に見続けられる」ワークコラボレーション・レビューがお役に立てばと、切に願っています。