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持続的な競争優位性を生み出す企業能力
変化が激しく不確実性の高いVUCAの時代において、企業が持続的な競争優位性を確保するために必要な要件とされるのは、企業固有の “リソース” だけではなく、それらを活用してイノベーションや新たなビジネスを生み出す企業能力である “ケイパビリティ” であるといわれています。
ケイパビリティとは
ケイパビリティとは「利用可能なリソースを組み合わせ、活用する企業の能力」とされますが、それは経営者がもつ能力と組織がもつ能力の両方であると言われています。
また、ケイパビリティとは、あるタスクや行動を何度でも同じパフォーマンスで行える能力であり、繰り返し再現される組織プロセスや行動パターンである「ルーティン」の集合体であると考えられています。
ケイパビリティには、通常の事業オペレーションのための「オーディナリー・ケイパビリティ」と、環境の変化に適応して新たな事業を生み出したり自らを変化させていく能力である「ダイナミック・ケイパビリティ」の2種類があります。
自らを変化させていく能力”ダイナミック・ケイパビリティ“
特に不確実性の高いVUCAの時代においては、「ダイナミック・ケイパビリティ」の獲得と強化が、持続的な競争優位性を確保するカギとなることから、世界中の経営者や経営学者が注目しています。
「ダイナミック・ケイパビリティ」はさらに、「環境変化に伴う危機や脅威を感知する能力(sensing)」「機会を捉えて既存の資源、ルーティン、知識を応用し再利用する能力(seizing)」「持続的な競争優位を確立するために既存の資源や組織を再編成し、変容する能力(transforming)」の3つの能力に分けられます。
ダイナミック・ケイパビリティはこれらの能力を発揮して、環境の変化に適応して新たなビジネスモデルを生み出し、それに合わせて新たなオーディナリー・ケイパビリティを生み出していきます。
ルーティンを変える、インストールすることで組織能力を高める
組織開発では、ケイパビリティの基本要素であるルーティンに働きかけ、感知・捕捉・変容プロセスのルーティン化や必要なルーティンのインストールによってダイナミック・ケイパビリティの強化と、新たなビジネスモデルに適応したルーティンの転換と構築を行い、新たなオーディナリー・ケイパビリティを築いていきます。