「CSマン活動」について

変化の激しい経営環境の中で選ばれ続ける存在になるため、NTTコミュニケーションズは2010年に〈ビジョン2015〉を掲げ、「サービス重視」と「シームレス」をキーワードに、グループの機能を「セールス」「サービス」「オペレーション」の3つに集約・強化する組織体制に変更。

オペレーションを担うCS部も「お客さま満足度№1」のビジョンのもと、競争優位のお客さまサポートを実現するため、2010年から「自らが考え行動できる」組織づくりをめざして風土改革活動をスタートさせました。

当時のCS部の課題は、保守・運用を中心とするメンテナンス業務にありがちな受け身の体質から脱却し、「攻めの保守」へと転換していくこと。社員一人ひとりが主体的に改善に取り組み、仕事を通じて達成感や成長を実感できる環境をつくるため、最初は部長層が議論を始めました。

2011年には「課長マネジメント研究会」を立ち上げて課長層にも議論の場を拡大。そこから膨らんだ「お客さまの生の声を聞いて、仕事や組織の課題解決につなげよう」という課長たちの思いを受け、有志メンバーによってスタートしたのが「CSマン活動」です。

わずか10人の課長たちが始めた活動は、この5年の間に、役職を越え、部署を越えて広がり、今では180人が参加する全社的なサービス改善の取り組みへと発展しています。

※グループのオペレーション(CS)機能は、現在NTTコムエンジニアリング(株)に集約され、組織・機能横断的に取り組む体制になっている。

NTTコミュニケーションズグループのサービス改善取り組み状況について2015

CS部門トップに聞く 「攻めの保守」を実現するためのチャレンジ

NTTコミュニケーションズ(株)
松本裕敦 取締役カスタマサービス部長(当時)

 

 

 

 

CSマン活動を積極的にサポートしてきた背景にはどんな問題意識があったのでしょう。

NTTグループ全体に共通しているのですが、個人としては優秀でスキルもあるし、ポテンシャルも高い。しかし、その能力を出しきれているか。個人個人が自分の能力と経験をもとに動こうとしてしまい、個人のパワーをチームとして最適化できていません。今でも、そこはまだ課題だと思っています。

一人ひとりが保守的にならず、もっと挑戦してほしい。お客様目線で物事を考え、リスクを取って一歩踏み出すチャレンジ精神が必要です。とくに私たちカスタマサービス部は、マーケットに合わせて、つねに自分たちを変えていかなければなりません。

そのためには、自分でつくってしまっている壁を、他人から言われてではなく自分で考えて自ら壊し、新しいことにチャレンジすることが必要だと感じていました。

CSのスタンス、仕事の中身はどのように変わりますか。

「守りの保守」から「攻めの保守」に変えていかなければと考えています。
保守というのは、どちらかと言うと受け身だったんです。お客様の期待に対して十分に応えることができずにお叱りをいただいた時に、お客様に説明し、ご理解を頂くというような守りの仕事ではなく、もっとお客様のために何ができるかという提案型の攻めの仕事に変えていかないといけない。

それはお客様に選ばれるための差別化要素になるのです。

私たちは、愚直なまでに安心・安全を大切にする会社です。保守は、まさに我々が大切にしている安心・安全そのものを価値に変えられる仕事だと思います。

たとえば、お客様に提供しているサービスに問題が発生する前に、問題そのものの発生を予防できるような提案ができれば、お客様の安心・安全につながります。

また、実際にご迷惑をおかけしてしまったお客様に、その場の問題を解決するだけではなく、その後も「いかがですか?」「お困りはございませんか?」とフォローすることで、お客様の期待値を上回る提案ができる。これが「攻めの保守」になるんです。

CSの仕事も、お客様目線で必要だと感じたら、接点である現場のメンバーが先取りしてリスクをとっていかないといけません。