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新製品作りと品質最優先の両立
某食品メーカーのAさんは、会社の現状に強い危機感を感じていました。工場で発生する様々なトラブルの対応が後手に回ってしまい、本当に必要な部分に対策が打たれていない、と考えていたからです。この会社は食品の製造販売を主な事業としており、社員は500名ほど。「品質最優先」のスローガンのもと、製造工程のマネジメントや衛生管理で、最高レベルの認証承認を取得しています。
「弊社はお客様からまじめで堅実なブランドとして広く認知され、おかげさまで多少価格が高くても買ってくださるお客様がたくさんいらっしゃいます」
「へぇ~。それはすごい強みですね」
「えぇ、そうなんですが…」
Aさんの悩みは、小さなトラブルが発生しても正式な報告として上がりにくくなっていることでした。新製品を出せば新しい製造工程を作ることになり、そこには今まで想定していなかった不安全要素が必ず発生します。品質最優先であれば、今までと同じやり方で作りたい。一方で多様化するお客さまのニーズにも答えたい。新製品作りと品質最優先は両立できるのか、そんなジレンマをAさんは感じていました。
“問題を問題としてゆっくり考える時間”をもつ
「現場の人たちを中心に、トラブルの未然防止を考えるオフサイトミーティングをやってきました。でも、実際にどうするかという話になると、いつも堂々めぐりの議論になってしまって…」
特に同社が認証承認を取得してから、小さなトラブル事例が上がりにくい傾向は顕著になっていました。そんななか、何か解決のヒントを得られないかと考え、スコラの「体験版オフサイトミーティング」に参加されたのです。
このプログラムでは、ふだん自社の職場では“問題を問題としてゆっくり考える時間”をもつことがなかなか難しい方も、オフサイトミーティングでじっくり時間をかけてお互いに話を聞き合い、問題を掘り下げて考え、議論していきます。
他の参加者は、他社の方々です。だからこそ、固定概念をもたずにAさんの話にゼロベースで耳を傾け、客観的に問題をみつめます。
「なぜそんなことが起きるの?」といった素朴な質問や「問題は本当にそれだけ?」といった投げかけがあり、やりとりをしながらAさんは、「問題は工場間の情報共有不足よりも、工場と本社の間でお互いに信頼感を持てていないことにある」と気づきました。
「初対面にもかかわらず、問題意識を抱えている人が集まれば、本音で議論できることがよくわかりました。私の場合、周囲の人、特にスポンサーである本社部門の上司に、いかに問題を問題として正確に捉えてもらえるようになれるかが課題ですね」
今まで見えなかった本質的な課題に気づく
オフサイトミーティングでは、今まで見えなかった本質的な課題に気づき、これまでと異なる発想が生まれます。Aさんは、会社という枠に留まらず社外の学会に出席し解決方法を探り、本社部門に問題の本質を理解してもらうことを働きかけるなど、内向きになりがちな議論を外に向ける活動に取り組んでいます。
Aさんの場合、新製品作りか品質最優先か、二者択一で悩んでいた状況から問題の捉え方が変わり、課題への取り組み方が明らかに変化したのです。
課題の解決手段は、オフサイトミーティングだけではもちろんありません。でも、仕事のしかたに留まらず、自分と未来をどう変えるか、そのきっかけをつかみたいと考えていらっしゃる方は、ぜひ、「オフサイトミーティング」を体験しに来てください。 皆様のご参加をお待ちしています。
プロセスデザイナー 宮崎圭介