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目に見えない原理
「受注から製造、納品までの連携がうまくいかないので業務プロセスを変えてはみたものの、結局、水面下では従来どおりの部分最適化された仕事のしかたが続いている」
「お客様満足の方針を打ち出して徹底もしているが、顧客からのクレームや解約件数がいっこうに減っていかない」
起きている問題現象を認識する、意識調査やアンケートなどでさらに状況把握をする、業務改善や研修など何らかの手を打つ、コンサルティングも入れてみた…。いずれのケースも、できることは皆さんいろいろとやられているんです。
でも問題は、それでも何も変わらない、「いったいどうなっているんだ!」という状況です。
冒頭の企業の方も、戦略や方針、しくみ、業務プロセスといったものだけではない、何か「目に見えない力」が自分たちの組織の中で働いて、企業活動全体にまで影響を及ぼしているということに気がついています。しかし、目に見えないから、何に手をつけたらいいのかがわからないのです。
現実の組織は目に見えない原理で動いています。
私たちのプロセスデザインとは、こういった組織の目に見えないものを見て、さわり、変えていく方法論です。
組織の見えないものにも、構造があり、システムがあります。それがどうなっているのかが見えるようになれば、どこに手をつければいいのかが見えてきます。
世間には、組織の状態を調べるためのアセスメントや調査が数多くありますが、その多くが従業員の満足度やモチベーション度合の測定、他社との相対比較や企業のタイプ分類です。
社員の状態や会社のポジショニングなどがわかったとしても、では、なぜそうなっているのかの「なぜ」には答えてくれません。問題の構造は見えないままです。
組織風土改革のお手伝いをするとき、私たちは初めに、この「なぜ」を、企業の皆さんと一緒に掘り下げていきます。最近では、目に見えないものを見る視点にもとづいて開発した「組織風土アセスメント」を活用することで、見える化や、それに続く組織変革の展開が格段に早く行なえるようになっています。
問題構造の鳥瞰図を共有する
冒頭の”業務プロセスのダブルスタンダード状態”に悩んでおられた企業でも、見えないものを見ていくプロセスデザインの視点を共有しながら、社員の皆さんとともに問題の構造化を行ないました。
「なるほど、こういうことだったのですね!」
まず、トップの方の目からウロコがとれました。不全状態だった業務プロセスの背後に潜んでいた、特有の価値観や判断・行動パターン、協力のしかたやマネジメントのしかたなど、さまざまな要因が因果づけられて、鳥瞰できるようになったのです。
問題構造の鳥瞰図が社内の皆さんの間で共有されていくと、組織の問題についても共通言語で話し合われるようになり、一人ひとりが自分は何をしなくてはいけないのかを自覚して行動するようになっていきます。
今では、業務プロセスの改革を軸にしながら、そこに水面下で強い影響を及ぼしていた要因、今まで目に見えなかったさまざまな要因までも変えていく取り組みに発展しています。
この間、3カ月。お手伝いしている私たちも驚くほどのスピードです。
組織の見えない部分を見て、さらにそこから問題を読み取っていくには、確かにノウハウやフレーム、深い洞察が必要です。しかし、ひとたび見えないものが見えるようになるだけで、これだけの変化が起きるのです。
もし、自分の会社や職場は何をやっても変わらない、根っこにある問題が何なのかわからない、とお悩みの方は躊躇なくご相談ください。きっと、見えない問題だけでなく、見えなかった解決の糸口も見えるようになるはずです。