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チームの条件
ここで、あらためて「チームとは何か?」を考えてみましょう。
そもそもチームとは、一人ひとりが力を出し合い、協力関係を通じて個々の貢献を束ねて最大化し、めざす目的を実現するためのものです。したがって、チームには、
1)一人ひとりの役割貢献
2)協力の関係性
3)実現しようとする目的
が最低限必要です。
つまり、簡単なメンバーどうしの紹介や挨拶、ただ飲んでワイワイやっている歓迎会や懇親会だけでは、この3条件をそろえることができないのです。
チームづくりのためのプロセス
私たちがお手伝いしている企業では、人事異動や組織変更、新しいプロジェクトの発足、新人の加入など、新メンバーが顔を合わせる機会をとらえて「ジブンガタリ」「思いガタリ」「ミライガタリ」といったチームづくりのためのプロセスを取り入れている例が多くあります。
ジブンガタリとは、個々の人となりがわかるような情報を出し合い、聴き合って、互いの理解と信頼感を深め、協力に必要な関係性をつくっていく話し合いの場です。思いガタリ、ミライガタリとは、これを実現したいという思いや将来のありたい姿を話し合うことで、共通の思いの中から共通の目的を見出したり、チームの目的と自分の思いを結びつけたりしていく場です。
あるリゾート業の会社では、繁忙期を前に、新しいパート社員やアルバイトのメンバーが加入してくるタイミングで、全メンバーが一堂に会し、小グループに分かれてジブンガタリ、思いガタリを行なっています。新たに加わったメンバーとともにしっかりチームをつくるために、顧客サービスの目的や大事にしたいことなどを個々の思いとともに共有しているのです。
このプロセスに参加することによって、メンバーは、雇用形態や立場に関係なくチームの一員になります。会社が一丸のチームとして動くことで高レベルのサービス品質を実現し、その結果として、常に高い顧客満足度と顧客評価を得ているのです。
ただ「○○から来た○○です」という自分情報の提供をするだけ、皆で楽しく飲んで盛り上がっているだけでは、仲間にはなれても、「チーム」はつくれません。それぞれの思いと共通の目的でつながる「チームづくり」のプロセスを意図して取り込んでいくことが必要です。
今年からは、職場でも歓迎会や懇親会だけでなく、ちょっとしらふの時間を使ってジブンガタリ、思いガタリなどをやってみてはいかがでしょうか。きっと、チームワークのパワーアップを皆が実感できるはずです。