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目前の問題解決をするという思考の枠組み
会社を「もっと良くしたい」「いい仕事をしたい」という思いで改革活動に取り組む変革推進リーダーやマネジャーが話し合う場に、私は毎日のように参加しています。
折にふれて、そこでは「この活動をすることで、会社がどんな状態になるといい?」「どんなことができたら、面白くなる?」と聞いてみるようにしています。すると、「自ら考えて、行動できる部門」とか「どんどん改善が進んでいる状態かなぁ」など返ってくる答えは、意外といまいまの問題が解決されている状態であることが多いのです。
将来の希望を描いてみる
改革の先頭に立つメンバーであっても、日々与えられている仕事をこなし、目前の問題解決をするという思考の枠組みにどっぷりとはまっていることが少なくありません。
でも、「現状を変えていく」ことの先には、もっと「ワクワクすること」や「こんなことができたらいいなぁ」という将来の希望を描いてみることも必要ではないでしょうか?
たとえば、「5年後、7年後にはこうありたい」とか、自分たちの興味がふくらむ状況をいろいろとイメージしてみるなど…。そのためには、「日常の仕事モード」になっている思考を「意識的にちょっと切り替える」ことが必要になります。
「仕事モードを切り替えるって? 口で言うのは簡単だけどね」という声が聞こえてきそうです。でも、だからこそ、「あまり理屈で難しく考えすぎずに」というのがポイントです。
何からスタートするのか
とりあえず、仕事仲間やチームメンバーと一緒に、普段の仕事の中で感じていることや、あまり口にしない思いを語るところからスタートします。現実的にいろんなカベがあって「思いがあってもできない」という制約は、この際ちょっと脇に置いて、あえて「こうしたい!」と思うことのほうに発想を広げて、発散的に話し合うのです。楽しみながら力を抜いて思考を柔らかくしていきます。
たとえば、はじめは軽いノリで「今の仕事だけど、こんなことできたら面白いんじゃない?」「悪くないかも?」と言い合い、だんだんと「このサービスができたら世の中が変わるよ」「それじゃあ、シンプルにならない」などと気持ちの向くままに盛り上げていきます。そして、最後にみんなで「ボタン一つで何でもできる」といった未来イメージを共有するのです。
気持が乗った後で、あらためて「今の仕事とどうつながるのだろう?」「もっとやり方を大きく変えないと実現できないかも?」と変革のストーリーを考えます。すると、今まで気づかなかった新たな課題も見つかってくるのです。
考えをほぐして柔軟にする
ちなみに、スポーツでいうストレッチは、硬くなっている身体を伸ばして柔軟にし、無理なく動ける領域を広げることです。
「思考をストレッチする」とは「今が精一杯で将来なんて考えられない」(思考停止状態)とか「こうであらねばならない」(思考の硬直化)という考えをまずほぐして柔軟にすることです。自分たちの夢に向かってちゃんと考えられるようにするために必要な「準備体操」なのです。
「変革する」ということは、堅苦しく取り組めばうまくいくものではなく、まずは今の仕事の先にある夢や思いを楽しく描くことが大事だと私は考えています。思考ストレッチを上手に取り入れて、「変えることは実は楽しくて面白い!」と感じてほしいのです。