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組織開発とは
組織開発(Organization Development=OD)の学術的な定義は様々ですが、一般的には行動科学や社会科学の理論や手法を用いて経営や事業のビジョン、戦略にあわせて組織の構造やプロセスに 働きかけ協働のシステムとしての組織の効果性を高め、意図的に組織を進化させていく取り組みとされています。
日本の組織開発研究者と実践者のネットワークであるODネットワークジャパンでは、組織開発を「「組織内の当事者が自らの組織を効果的にしていく(よくしていく)ことや、そのための支援」としており、様々な組織開発の定義に共通する項目として
□行動科学の理論や手法を用いること
□組織の効果性や健全性を高めていくこと
□組織のプロセスに対して計画的な働きかけをする取り組みであること
を挙げています。
組織開発は何に働きかけるのか
そもそも組織とは、一個人ではできないことをチームワーク、協働で実現するための〈創発と協働〉のシステムです。
組織の中では、常に「個人の能力」を引き出し、その総和以上の「組織の能力」に変えていく、さまざまな機能が働いています。こうした機能は、具体的には、協働のために行なわれる個人間の情報のやりとりや、現状認識のすり合わせ、目的の共有、役割の確認、モニタリング、フィードバックなどの相互行為によってもたらされます。これらの相互行為は「協働プロセス」または「組織プロセス」といわれます。
組織開発は、こうした「協働プロセス」に働きかけて、組織の機能不全を修正したり、より効果的にすることによって組織機能を高め、組織のパフォーマンスを向上させていきます。
組織開発は、チームや組織の中で働く「協働プロセス」を組織メンバー自らが見直し、機能化させていく取り組みであり、個人を対象としてその能力やスキル向上を図る人材開発とは、対象やアプローチの仕方が異なるものと言えます。
【参考文献】
『組織開発の探究』中村和彦、中原淳著 ダイヤモンド社
『入門組織開発』中村和彦著 光文社新書
【関連リンク先】
https://www.odnj.org/
https://www.scholar.co.jp/service/id=9114