OKRとは、Objective(目標)とKey Results(主要な成果)を設定することによる目標管理手法の一つで、インテルやGoogleが導入したことで有名になりました。日本でもスピード感を持った成長を目指すベンチャー(スタートアップ)企業を中心に導入される例が増えています。
OKRの特徴は、ビジョンに近づくための挑戦的な目標に向かって、組織全員が連携しながら行動できる点にあります。
全社、事業部、チーム、個人、といった階層を設定した上で、上位の階層から目標と目標を実現するために必要な3~5個の主要な成果を決めて、結び付けていきます。決定した目標と成果は組織内で広く共有して連携を促し、短期間(毎月~四半期)で振り返りを行います。
なお、挑戦的な目標を掲げる(目標のレベルを下げない)ために人事制度と直結させないことが推奨されています。
OKRでは全社的な目標や成果に個人の目標や成果が結びついているため、一人ひとりの取り組みによってビジョンの達成速度が速まることが期待できます。
OKRと比較されることが多いのがMBOです。ドラッカーによって提唱されたMBO(Management by Objective:目標による管理)は、人事評価に活用されることが一般的ですが、OKRと違い、半年~1年と比較的長い期間をもって評価され、その目標や評価は上司との間でしか共有されません。また、人事評価と結びついていることで、全社的な目標に紐づいたものではなく、個々人の達成可能な目標が掲げられる傾向があります。
OKRを機能させるためには目標の設定やその運用において対話を活用することが重要です。組織のビジョンを実現するための挑戦的な目標について、各階層で腹落ちできるように本音で話し合うことや、フィードバックやお互いの成果を認め合うことで、目標に向けた成果を出しやすくなります。