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自治体の“戦略”実行に欠かせないものとは?

2016年11月01日

“消滅可能性都市”という言葉をご存じでしょうか。

日本創世会議(座長・増田寛也前岩手県知事、元総務相)が、2040年には20~30代女性が減少して、全国のほぼ半数の市区町村が「消滅」の危機に直面すると発表したことで、話題になりました。

その後、国では地方創生担当大臣を任命、「まち・ひと・しごと創生法」を制定して、なんとか人口減に歯止めをかけ、活力ある日本を維持していこうと地方にも号令をかけ、ほぼすべての自治体が「まち・ひと・しごと総合戦略」を策定しています。

しかし、この“戦略”も、役所の中では、「新しい名前の計画がまた一つ増えたらしい」としか、多くの職員は認識していない模様です。民間企業と違い、自治体にとって“戦略”は、まだまだ馴染みが薄いものなのでしょう。いかに重要業績評価指標(KPI)を掲げてみても、実行されなければ意味がありません。

そこで、戦略を実行につなげていくときに見落としがちなポイントを3つ記してみました。みなさんの自治体では、いかがでしょうか。


●何のための戦略か

企業にとって戦略は、市場の中で競合他社に勝つためだとすぐにわかります。一方、自治体はエリア独占状態のため、敢えてなぜ戦略が必要なのかがわかりにくい。
人口減は確かに重大な問題ですが、将来の人口予測をして、単に目標数字を示しただけでは、住民を動機づけることにはなりません。
戦略を通じて勝ち得たい目的は何か、どんな地域にしたいのか、めざす姿を描き、共有しておくことが重要です。住民が何に魅力を感じ、住んで良かったと満足し、世代を越えて住み続けたいと思えるのか、地域のビジョンは、新しい戦略の実行に向けたチャレンジをする勇気の源になるのです。


●何を削減し、止めるのか

対象顧客を絞り込むことができる民間企業と違い、自治体ではすべての住民がサービスの対象者になるため、どうしても総花的な計画を立てがちになります。しかし、すべての人の要求にあまねく応えていたのでは、財源が不足してしまいます。
そんな板挟み状態を克服するためには、重視する政策・施策を明示するだけでは事足りません。その背景にあるそれ以外の政策・施策について、何をどれだけカットするのか、止めるのかを決めていく判断と意思決定をしていくことが、実はより困難で重要な経営課題となってくるでしょう。
戦略には、華やかな表面だけでなく、隠れた裏面があり、その両方のプロセスを整備してこそ確実な実行につながることを忘れないようにしたいものです。


●やる能力はあるか

「地方創生」に向けた戦略には、新しい発想で新しい価値を創造していくこともでてきます。それには、新しい能力を開発していくことが求められるでしょう。
各自治体では、国からの支援を受けるなどして、外から人材を投入する取組みを進めているところも増えてきました。しかし、いつまでも外部に頼っているわけにはいきません。自分たちにどんな能力が欠けているのか、何を学び取り、どのようにその力を身に付けていけばいいのか、しっかり育成計画を立てて実現していくことが大切です。


今回策定された地域の戦略を実現することは、決して容易なことではないと思います。そして、やり遂げるからには、目先の数字を達成するだけでなく、その意義がきちんと認識され、それを着実にやりとげていくプロセスを築き、その後継続する力や新しい戦略を提案する力を伴って成し遂げられていくことを期待しています。

元吉 由紀子

元吉 由紀子(もとよしゆきこ)

生活者起点で時代最適の価値を創造し続ける経営を実現できるよう、トップと現場の有志たちが連携・共振していくプロセスを一緒に築きあげている。

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