部下の主体性を引き出す”褒め上手”になろう~「個」を見守り、小さな変化に気づくこと|コラム|スコラ・コンサルト
部下の主体性を引き出す”褒め上手”になろう~「個」を見守り、小さな変化に気づくこと

部下の主体性を引き出す”褒め上手”になろう~「個」を見守り、小さな変化に気づくこと

神田 卓 | 2018.07.06

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部下の主体性を引き出す”褒め上手”になろう~「個」を見守り、小さな変化に気づくこと

昨年、スコラ・コンサルトでは、複数クライアント企業の若手社員を中心とした交流会を開催しました。
4社の若手たちが集まり、約1年間で4回、若手ならではの視点でお互いの会社について考える対話の場です。
最終回では、締めくくりとして、「この取り組みに参加して変わったこと、成長したことを話してみようか」ということになりました。

そこで、「褒め言葉のシャワー」をやってみることに。
褒め言葉のシャワーとは、参加者が車座になって座り、円の中に入った1人を参加者全員で順番に褒めていくというものです。

最初は、人を褒めることに照れてしまって、戸惑いがあったようですが、気がつけば終了予定時刻を4時間以上もオーバーし、結果的に、全員に順番が回りきれないほどの盛り上がりをみせたのでした。

このとき、何より驚いたのは、褒め言葉のシャワーを受けた人の変化です。
明らかに目が輝き、いきいきとした表情に変わっていたのです。
いったい、「褒める」という行為にはどんな力が宿っているのでしょうか。


「褒めたいのに褒められない」理由は思い込みや勘違い

部下が「がんばっているな」と思った時、それを言葉にしていますか?
伝えたい、伝えたほうがいいと思いつつも、言葉にできずに、そのまま言わずじまいになっていないでしょうか。
もしも「褒めたいのにうまく褒められない」となんとなく機会を逃しているとしたら、次のような理由が考えられます。

・ 「褒めることは甘やかすこと」という思い込みがある
・ 自分自身が褒められた経験が少なく、褒め方がわからない
・ 成果に対して褒めるものという勘違いをしている
・ 面と向かって褒めるのは気恥ずかしい
・ 会社に褒めるという文化がない。また、関係が近すぎても褒めにくい

しかし、上司からの言葉は、ちょっとしたことであっても部下にとって大きな影響力があります。
決して大袈裟な称賛をする必要はないのです。

では、普段から自然に部下を褒める習慣を身につけるにはどうすればよいのでしょうか。
また、気持ちが伝わる褒め方とはどのようなものなのでしょうか。


部下を伸ばす効果的な褒め方は

いきなり部下を褒めろと言われても、難しいことかもしれません。
でも、部下の側に立つと、特にこれといった目に見える成果が出せていないような時は、自信をなくし、悩み、迷っていることもあります。
そんな時、上司が見ていてくれると実感することで、その目に輝きを取り戻す部下もいるのです。

必ずしも、褒めるポイントは成果だけに限りません。
見過ごされがちですが、以下のようなことも「褒める」ことの一環です。

✓ 相手の言動をしっかりと見守り、良い変化を言葉で伝えることによって、強みを伸ばす
✓ 目標に向かっているプロセスならば、それに結びつく仕事、学習などの努力を認める

次に、効果的な褒め方について考えてみましょう。

私自身が、部下だった時のことを思い返すと、上司からの褒め言葉はどれも嬉しく感じました。
なかでも、同僚たちの前で、自分の持ち味や長所を理解した上で生かそうとして褒めてくれた上司のことは今も心に残っています。

この経験からも、部下を伸ばす効果的な褒め方として、以下の3つをポイントとしておすすめしています。

1.他人と比べて褒めるのではなく、その人の過去と比べた成長部分を褒める
2.(その人の過去のイメージや周囲の評判を受けて漠然と褒めるのではなく、)「今ここ」で自分がみつけたその人のよいところを具体的に褒める
3.多くの人たちが聞こえるところで褒めるなど、褒めた部分がその人の強みとして周囲にも認知されるように褒める

部下の成長を褒める時は、その人の過去と比べて今はどのように成長しているのか、を伝えます。
そのためには、過去・現在・未来にわたって相手の変化をじっくり見守り続けることが必要になります。

人との比較で褒めた場合、褒められた側は「周りからどう思われているか」という評価だけを意識するようになってしまいます。
一方、過去のその人と比べて褒めると、「自分自身がどうありたいか」という主体性に重きを置くようになり、次の成長にもつながっていきます。

また、その人が過去に得意だったことや、周囲の意見や伝聞などをもとにして漠然と褒めても、褒められたほうはピンとこないこともあります。
その人自身、日々変化しているかもしれません。いつも同じ特徴だけを褒められるのでは気づきがないかもしれません。

それよりも、小さなことでもいいので「今ここ」で見つけた良い変化を、その場で具体的に褒めることが大切です。
部下にとっては、そのことが“自分のことを見てくれているな”という安心感や、“これでいいのだ”という新たな自信につながります。

どんな状況で褒めるか、も重要なポイントです。

通りすがりにひと声かける、個別面談の時に面と向かって伝える、などもありますが、周りの人たちに聞こえるところで褒めるのもおすすめです。
褒められた点がその人の強みとして周囲に認知されやすくなり、その人の次の仕事に生かされる可能性が高まるからです。

強みを生かした仕事をすると、人はいきいきします。
組織のメンバーが互いに強みを生かし合うようになると、チーム内の生産性が上がっていきます。
褒め言葉は、そのきっかけになり得るのです。


褒め合える職場に変わるには

上司が部下を褒めるだけでなく、さらに組織内の人たちが互いに「褒め合う」職場になっていくには、そのための環境を整えることも上司の役割です。

たとえば、冒頭で紹介した「褒め言葉のシャワー」のように、褒め合うための場や機会をつくっておくと、職場に安心感が生まれ、お互いに褒める習慣も根づいていきます。
実際、毎週末に一週間分の褒め合いをする場を設けたり、褒め言葉をカードに書いて渡し合う取組みをしている企業もあります。

それでも褒めるのがどうしても苦手という人は、無理をしてあからさまに褒めなくても大丈夫です。
まずは、部下に声をかけたり、彼らが設定した目標に対してフィードバックしたりするだけでも効果的です。
部下は、“上司が見てくれている”と実感することで、自分は認められていると感じるのです。
さらに、第三者を通して間接的に伝える方法もあります。
大切なのは、「認めているよ」という事実を相手に伝えることなのです。


褒められた部下は自ら育つ

部下は、存在が認められること、さらに褒められることで自己肯定感が充足されると、自分の「まだまだ未熟」な部分にも目を向けるようになります。
「もっと伸びたい」という向上心もそこから生まれます。

また、褒めることは、その人が自分の強みに意識をフォーカスすることにもつながります。
自分の強みに気づくことができると自信が生まれます。
その結果、自分の意思で動こうとする自発性が生まれ、モチベーションも上がります。

こうした変化の好循環によって、部下が上司の予想を超えて成長していくこともあります。
部下を「褒める」ことは、個人の生産性アップと、つながりが深まることによって組織の活性化にもつながっていくのです。

ぜひ、職場で「褒めること」を実践してみてください。
「褒めることで生まれる効果」を実感していただけたらと思います。

著者プロフィール

神田 卓

神田 卓

SUGURU KANDA

常に相手の立場を最優先し、自分の意図や意思を相手に押しつけないで話を聴くことを心掛け、感じたことをそのまま相手に伝えるコミュニケーションを得意とする。

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