「協働」取組みの進捗ポイント|コラム|スコラ・コンサルト
「協働」取組みの進捗ポイント

「協働」取組みの進捗ポイント

元吉 由紀子 | 2019.05.21

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「協働」取組みの進捗ポイント

新年度がスタートすると、どの組織でも年度の目標を設定する作業に追われます。
特に昨今では、地方創生の流れの中で、官と民の「協働」取組みも、民と民の共創プロセスを伴って推進する事業が増えて来ました。
これらの取組みは、現場の実態のほうが先行しており、そのプロセスをマネジメントする上司や組織運営体制、評価制度のほうが十分に追いついていないところがあるようです。
そこで、NPO法人自治体改善マネジメント研究会の研究員たちが集まって、協働取組みを進めていくうえでの進捗ポイントについて話し合いました。
ここではその中の一部をご紹介いたします。


協働取組みの基盤づくり


協働取組みは、1995年の阪神・淡路大震災時にボランティア元年と言われた後、1998年に特定非営利活動促進法が制定され、一気に加速しました。
その後、官と民がともに力を合わせて地域課題の解決を図るときの基本理念やめざす姿、基本姿勢などを自治体としてきちんと明文化して策定するところが出てきました。
多くは自治基本条例や協働推進条例、市民参画条例などの条例、または、総合計画の基本構想や政策の柱立てとして記載されています。

ただし、いずれもが総論として書かれていることが多いため、職員や住民はその存在は知っていても、今の仕事とどう関わるのかまで認識しきれていないことが多くあります。

そこで、事業の立ち上げ時には、これら規定の有無や内容を確認し、共有して、協働のベースとなる基盤を整備しておくことが大切です。


庁内の連携体制を準備する


協働取組みの経験者に「進捗するうえで障害となったことは何でしたか」と尋ねると、官民の間よりもむしろ庁内の部署と部署、縦割りの壁が大きかった」と回答されることがよくあります。

新規の大きな事業であれば、庁内に横断プロジェクトを立ちあげることもありますが、通常は主管課から関係部署に要請してやっと協力を得られる状況にあると言えるでしょう。

なぜなら、多くの行政職場はすでに定数がかなり削減されており、その上、近年においては働き方改革などで残業時間も圧縮され、余裕がなくなっているからです。
頭では「協力したほうがいい」と思っていても、身体は「なかなか動けない」。
結果、抵抗勢力となってしまう可能性が十分あります。

そこで、このような状況を少しでも防いで、庁内連携を進めやすくするために、まずは「事業評価シート」に事業の達成目標に加え、重要な庁内連携に関するプロセスの目標を併記しておくことがお勧めです。

「事業評価シート」は、「評価」のときしか見ない人が多くいますが、「Check(評価)」は、「Plan」を起点としています。
Planの中にともに取り組む仲間として庁内パートナーを記載しておけば、成果を果たす役割を担ってもらうきっかけができるのです。
主管課の仕事のお付き合いではなく、自分たちの課の仕事の一部として認めてもらえるよう、年度当初にツールとしてぜひ活用してみて下さい。


現状分析をもとに課題設定を一緒に行う


事業としてやることは決まっているけれど、いざやる段階になってパートナーと足並みが揃わない。
そんな経験はないでしょうか。
それぞれの立ち位置によって現状や問題の見え方、とらえ方に違いがあります。
その結果、解決すべき課題についても重要性や、緊急性に対する見解が異なってきて、行動のズレを生じがちです。

行政組織には、日々いろんな住民の声が寄せられ、他自治体での取組み情報などが豊富に入って来ます。
そこで、これらの情報をできるだけパートナーとも共有して、一緒に情報の分析を行っておくプロセスをつくることが、課題の必要性に関する認識を合わせ、課題設定への納得感を高め、実行のスピード感を一致させることにつながるものと考えられます。

研究会では、このような場面を30ほど想定して検討を進めてきました。
全体を通じてわかったことは、協働の取組みの進捗を円滑に、かつ効果的に成果をあげていくためには、実際に動いている活動場面だけでなく、その準備段階や事後のふり返りなどを含めた一連のマネジメントサイクルとしてしっかり構築し、共有していく必要がある、ということでした。

自治体改善マネジメント研究会では、検討結果を、昨年度末に「協働ステップアップシート」案にとりまとめましたので、研究会ではこれから各地で共にふり返り、考え合う「協働マネジメント学習会」を開催していく予定です。
より多くのみなさんとぜひ意見交換できればと思っています。

著者プロフィール

元吉 由紀子

元吉 由紀子

YUKIKO MOTOYOSHI

生活者起点で時代最適の価値を創造し続ける経営を実現できるよう、トップと現場の有志たちが連携・共振していくプロセスを一緒に築きあげている。

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