〈環境と条件を整える技術〉<br/> 組織力を高めるマネジメント層のスポンサーシップとは|コラム|スコラ・コンサルト
〈環境と条件を整える技術〉<br/> 組織力を高めるマネジメント層のスポンサーシップとは

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組織力を高めるマネジメント層のスポンサーシップとは

三好 博幸 | 2020.03.27

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〈環境と条件を整える技術〉<br/> 組織力を高めるマネジメント層のスポンサーシップとは

前回ご紹介したマネジメント層のスポンサーシップとは、組織のメンバーそれぞれの貢献をより大きな貢献につなげていくため、トップやマネジャーが現場に対して動きやすい環境や条件を整えていくサポート機能です。
今回は、マネジメント層がスポンサーシップを発揮するうえで重要なポイントを紹介します。


スポンサーシップマネジメントのポイント(1)「マネジメントチーム」の一員としての役割


マネジメント層が自分の役割を考えるうえで、気をつけなければならないことがあります。
一つは、自部署のマネジャーであると同時に、マネジメントチームのメンバーとしての役割を担っているということです。たとえば、A課長はA課のマネジャーでありメンバーですが、同時に、A課が属しているB部のマネジメントチームのメンバーでもあります。

マネジメント層にある人は、どうしても自分の預かる部署をいかにマネジメントするかということばかりに気が向いてしまい、同じ部門の課長同士、部長同士といった「ヨコのチーム」のメンバーであるという認識が薄くなりがちです。

役員層でも同様に、「役員としての役割は何か」を問うと、自分が管掌する事業部門の課題や施策についての話は出てきますが、経営チームメンバーとしての役割についてはほとんど意識されていないケースも少なくありません。全社の経営を担う経営チームメンバーとしての視点ではなく、事業部長としての視点で、どうしても自分の管掌部門のことだけを考えてしまうのです。

「部門の連携が悪い」「タテ割り組織の壁がある」といった組織の機能不全は、もとを正せばマネジメント層のチームワークが機能していないために起こります。自分が階層ごとの「ヨコのチーム」のメンバーだという認識自体がそもそも希薄なのです。

個人の貢献をつなげてチームの貢献に発展させることはマネジャーの基本的な役割です。また、自部署のチームの貢献を他部署につなげて事業部門、会社全体の貢献にしていくこと、組織の中の「つながり」づくりを意図して行なっていくこともマネジャーの重要な役割です。こうしたマネジメント層の「つなぎ」の役割があってはじめて、組織は組織になり、その連携機能を発揮するのです。


 

スポンサーシップマネジメントのポイント(2)権限と影響力のパワーをどう生かすか


もう一つ、留意すべき点は、マネジメント層は権限と影響力(パワー)を持っているということです。マネジメント層であれば、自分にはどれほどの権限があるかは認識しているはずです。

スポンサーシップを発揮する際には、権限がなくてはできないことがあらゆる場面で出てきます。そのようなときに、それぞれの権限を生かして、トップでなければできないこと、部長だからできること、課長だからできることをすることがマネジメント層の役割です。権限は、その立場にある人しか持ちえない一種の「強み」でもあります。したがって、自分が持つ権限という強みをもとに「自分でなければ貢献できないこと」をマネジメント層は常に考えてスポンサーシップを発揮することが必要です。

逆に、他のメンバーでも十分できることは、メンバーに任せて主役にする。そして、彼らが動きやすいようにスポンサーシップを発揮するのです。

一方、マネジメント層が持つ影響力については、あまり自覚できていないケースがよく見られます。階層が上に行けば行くほど、上位者の発言や行動、姿勢や態度の影響力は本人が思っている以上に大きくなります。一意見のつもりで言ったことが、メンバーには命令として伝わり、発言した本人の意図とは無関係に、その対応に莫大な労力がかけられるといった例は枚挙にいとまがありません。メンバーはマネジメント層をよく見ています。そして敏感に反応するものです。

したがって、マネジメント層が自分たちの役割を考える際には、自分にしかできないことだけではなく、「自分たちがやると(やらなければ)影響が大きいこと」も考える必要があります。組織に対してマイナスの影響が大きいことは慎む、プラスの影響を与えることは率先して範を示すことも、マネジメント層の重要な役割として常に意識しておかなければなりません。


スポンサーシップマネジメントのポイント(3)メンバーの成長を助ける


さまざまな立場の人たちの意見や情報、考え方にふれながら、自らの頭で考え、試行錯誤による経験と知識を蓄積して人は成長していきます。スポンサーシップとは、まさにこのような、組織のメンバーが成長しうる機会と条件をつくることでもあります。

メンバーが主体的に考え、自分で判断し、行動するためには、それに必要な裁量権が与えられていなければなりません。マネジメント層が持っている意思決定や、人・モノ・カネ・情報を扱う権限と責任の一部がメンバーに委ねられていなければ、メンバーの主体性や自律性も発揮できません。このように自律的に行動する機会を通じて成長する場をメンバーに与えることは、権限と責任を持ったマネジメント層だからこそできることなのです。

また、個人の現在の能力や成長のための課題、行動のしかたや結果、貢献度合いなどを評価し、本人にフィードバックすることも人の成長には欠かせないことです。評価というのは人の行動や成長の方向性に大きく影響します。今いる組織の中では、どういうことが価値として認められ、評価されるのか。その大半は、メンバーのそのつどの行動やパフォーマンスに対する上位者のフィードバックによって確認されていきます。

たとえば日々の行動や仕事、パフォーマンスに対して、「なかなか良い仕事をしたな」「君の能力に期待しているぞ」「面白いアイデアだな!やってみろ!」といった“その場その場”の評価をフィードバックされることによって、メンバーは自分の能力や貢献が「評価されている」と認識し、その行為を強化していくのです。

評価とは、人事評価でABCのランク付けをすることだけではありません。評価権を持つマネジメント層が日々の仕事の中でメンバーの行動やパフォーマンス、貢献を評価、フィードバックして、個人の成長を助けることも重要なスポンサーシップ機能なのです。

著者プロフィール

三好 博幸

三好 博幸

HIROYUKI MIYOSHI

体質問題を、「風土・体質=組織のソフトウェア」という観点から構造化し、大組織の変革をシステマティックに展開していくアプローチの開発に取り組む。

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