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画期的な新商品を生み出した「羊」チームのイノベーション

2015年03月01日

研究開発の若手が集まった場でのこと。「私たち、羊なんです」とメンバーが言うのです。話を聞くと、新商品のアイデアをガンガン出せる先輩たちはいずれも一匹狼タイプで、どうやら自分たちは、いつも群れで行動したがり、意見を表明するのを遠慮してしまうおとなしい羊タイプだということでした。

ゼブラ株式会社が昨年8月に発売した蛍光ペンは、ペン先が紙の表面に張りつき、曲面もすらすらと綺麗に線が引ける画期的な新商品です。
この開発を手がけたのは「羊なんです」と話していた若い三人の女性研究者。自分たちで何度も話し合って出てきたアイデアを「社内アイデアプロジェクト」のコンペにエントリー、約 550の応募のなかから準グランプリを獲得しました。それだけではなく、グランプリを差し置いていち早く商品化にまで漕ぎつけたのです。

発端は、風土改革ワーキンググループから生まれた若手研究者有志の会「やりたいこと談義」でした。「達成感のもてる研究テーマを見つけたい」という思いで、業務時間外にチャレンジしたいテーマ、やりたいテーマを出し合ってみることにしたのです。

とはいえ、なかなか具体的な話にはなりません。考えていないわけではないけれど、「未整理なことを口に出して言うのに抵抗がある」「漠然としてまとまらない」ので言い出しにくいのです。こんなことを言ってもいいのか、間違っているのではないか、という気持ちが邪魔をします。
回を進める中で、正しい答えがあるわけではない、何を話しても大丈夫だとわかると、徐々に「こんなものが好き」とか「これがやりたい」というそれぞれの思いが出てきました。

 

画期的な商品のアイデアは、いきなり生まれるというものではありません。手をかけて思考をもみほぐす必要があります。

仕事の中で本気で実現したいことが出にくいときは、言いにくさなどの心理的な制約を排除し、思っていることを自由に話せるようにする。整理しきれていない思いがある場合は、その背景や経験を話すことで自分のこだわりや価値基準に向き合っていく。
発想が広がらないときは、そもそも「将来のありたい姿」から考えてみる、視座を変えて「お客様から求められるものは何か」を突き詰めてみる、などです。

要は、自由にアイデアを出し合えるチームをつくり、製品に対するそれぞれの思いをぶつけ合いながら、「これがやれたらスゴイ!」と本気で思えるテーマを探していくのです。

当然ですが、製品化に向けてはハードルもありました。
たとえば、日常業務との調整、残業時間規制、技術的な課題、そしてモチベーションの持続です。

 

これらの壁を乗り越えられたのは、チームで互いに支え合い、刺激し合えた、笑った回数が多かったといったチームによるモチベーション。
そして上司が時間の使い方、仕事の優先順位づけで支援してくれたことなどが大きな力になりました。
本人たちの頑張りだけではなく、周りの協力があったことも情熱を持ち続けることができた要因です。

もしもあなたの身近にいる若手が“羊”に見えたとしたら、「チームでわいわいやることで頑張れる」という羊の良さをぐっと後押しして、関心や発想を引き出せるような働きかけをしてみてはいかがでしょうか。

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源明 典子

源明 典子(げんめいのりこ)

いい会社、いい組織づくりには、社員が自ら組織で知恵を出して実践する環境が不可欠と考え「ありたい姿」「自発性を引き出す」「チームの協働」「マネジメントの変革」の視点をもって支援に携わる。とくに、製造業の研究・開発部門、生産技術部門やサービス部門における「チームイノベーション」支援経験を豊富に持つ。

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