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バージョンアップされない組織のOS

先日、私たちのオフィスで聞いたとある会話です。「あの○○のアプリケーションソフト使おうと思ったら、ウィンドウズ meじゃ動かないんだね」「そうそう、XPじゃないとダメらしいよ」・・・。
どこの会社でもごく日常的に耳にするような話ですよね。

経営の場面でも起こっている組織OS問題

実は、経営の場面でこれと似たような話をよく聞きます。「せっかく入れたSCMのシステムが全く使いものにならない」「数千万円ものナレッジ共有システムが野ざらし状態」「新しい人事制度を導入したが、逆に弊害のほうが目立つ」などなど。

冒頭のパソコンの話であれば、いくら良いアプリケーションソフトでもOSに対応していなければ全く動かないということは誰でもわかるのに、組織に最新の経営手法や制度、しくみを導入するとなると、このへんの認識が全く欠落してしまう。
風土・体質などの見えない部分を企業のソフトウェアという言い方をしていますが、実はその根底には「組織のOS」といえるものがあります。「組織における人と人や、人と組織との関わり方、あるいはそれらに暗黙のところで影響を及ぼしているもの」といったものなのですが、これが日々の仕事の仕方や思考・行動様式に大きく関わっています。このOSが時代遅れのものであったり、不具合があったりするとアプリケーションの部分で何をやってもうまくいきません。

OSを無視した流行モノへの無駄な投資

コンピュータは70年代以降のOSを中心としたソフトウェアの発展によって飛躍的にパフォーマンスを向上させてきました。組織についてもパフォーマンスを上げようとしたら、まず古いOSの書き換えやバージョンアップが必要です。でも、まだまだ組織のソフトウェアに対する企業の認識が低いばかりか、OSを無視して流行モノへの無駄な投資を「まじめに」続けているような企業が多いんですね。

ほんとうに不思議でなりません。

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